中学受験の塾:SAPIXと日能研

2017-08-13



塾:サピックスと日能研

首都圏の国立・難関私立中学に行くと、サピックス(SAPIX、通称サピ)と日能研に通っていた子供達が非常に多い。早稲田アカデミー(通称、早稲アカ)もいるが、圧倒的に上記2校が多い。その中でもSAPIXの一人勝ち状態である。

2016年3月16日付けのPresidentでも「筑波大学附属駒場の中学受験合格者数に占める「サピックス小学部」出身者の割合は、2015年で7割を超えている。」とある。毎年2月の発表後にちらしで入ってくる合格者数を見てもこの割合に違和感がない。

筑波大学附属駒場(通称:筑駒)は、学区の関係で受験出来る子供達が限定されることもあり、一般的には灘・開成よりも知名度が劣るが、日本で最上位に位置する中学校である。進学実績はきちんと発表されているので、難関校は比較出来る。

筑駒の進学実績:年によって若干変わるが1学年の生徒数を約160~165名と覚えておくと計算が楽である。

2017年度国公立合格・進学者詳細(2017/5/11更新)2017年度私立合格・進学者詳細(2017/5/11更新)
2016年度国立大学合格・進学者数詳細(2016/4/26更新)2016年度私立大学合格・進学者数詳細(2016/4/26更新)

一目瞭然だが、国公立志向が大変強い。現役東大合格率も60%強と非常に高いが、現役・浪人合わせても101人(進学者)/124人(2016年の現役・浪人の進学者合計)と驚異的に東大が多い。最強の高校である。
お見事としか言いようがない。
雰囲気に合うかは文化祭に行くと良いだろう。

開成の進学実績:年によって若干変わるが1学年の生徒数を約400名(旧校300名+新校100名)と覚えておくと計算が楽である。

大学入試結果 平成29年
大学入試結果 平成28年

開成は非常に細かく開示するようになった。理Ⅲ進学者は筑駒・灘と比べるとかなり見劣りする。早稲田・慶應大学を含めた私立大学への現役進学者も(医学部を除いても)かなり多くなった。
が、母数も多いこともあり、東大進学者数は現役・浪人含めるとかなりの人数となる。東大では一大派閥であろう。但し、現役合格率は約25%で、表100(裏100もあるが)というのは一つの目安だろう。
東大以外の国公立の医学部への進学者もかなりいる。
また、平成29年は海外の大学合格者が随分増加したのが特徴である。
なお、卒業生は運動会の色をまず聞く変わった学校である。

灘の合格実績:年によって若干変わるが1学年の生徒数を約220名と覚えておくと計算が楽である。進学実績は不明。

平成29年度 大学合格者数

やはり理Ⅲの合格者数が圧倒的に多い(平成29年 現役17人+浪人2人)。1学年の生徒数が220人と筑駒の約160~165人と比べると若干多いものの、それを考慮しても驚異的である。また、京大の医学部への進学者(平成29年 現役18名 + 浪人 3名)も結構いる。まさしく関西の雄である。

私見であるが、SAPIX出身の子供達は「中学入試で実力以上の中学でも合格出来るところまで引っ張り上げるが、中学入学後はあまり成績が伸びない子も出てくる」イメージがある。一方、日能研の子供達は勉強するスタイルが身についているイメージがある。

思うにSAPIXは、非常に大量の良く練られた課題をこなさせることにより、子供の能力の120~150%ぐらいを出させているような気がする。そのため、何とかカリキュラムについていく根性が親と子供にあれば、自分の実力以上のところに入ることが出来る知識と経験が詰め込まれる。当然、親も子供もそれを望んでいるのでWin-Winである。
但し、SAPIXは「プリント整理」という親の協力なくしてなりたたない。大量のプリントが来るので、整理しないと混乱してしまう。そして、正月の休みもほとんどなく1月・2月となり、親子共々へとへとになりながらフィナーレを迎える感じになる。

余談であるが、有名中学校の合格者数が注目されるSAPIXであるが、実は志望校に落ちてからのフォローがものすごくしっかりしている。首都圏では2/1から本番が始まるが、最近ではすぐ結果が出るので、残念な結果に終わるとすぐに2次、3次の募集をしている学校を受験することになる。
SAPIXのすごいところは、まだ「合格していない」子供達を全力で先生が応援することだ。

念のためだが、「合格していない」という意味は「本人及び親が、妥協出来る学校に合格していない」である。東京を中心とした関東近郊では1月のお試し受験で何らかの合格を手にしていることが多いが、これらは「合格」に入らないことが多い。

まずこれから受ける学校/受けられる学校を分析しアドバイスをしながら、受験当日は門のところで受験の子供を励まし、合格発表にも立ち会っている。これを最後の最後まで先生達はやり通す。

一方、日能研はSAPIXほどの詰め込みのイメージはなく、またSAPIXの詰め込みスタイルが好きでない子供が行っているイメージだ。学習するリズムもしくは学習スタイルが自分で構築出来る人が合っている感じがする。

難関と言われる中学校ではSAPIXの割合が多いが、入学後の成績上位者を見ると、日能研出身の子供も結構いる。日能研の子供達はこつこつ勉強する癖がついているようなイメージを持っている。

子供達に聞いても、本人達も概ね同じ意見である。周りもそういう意見の人達が多いようだが、トップ層は正直関係がない。難関校では中学入学の成績上位者層がそのまま上に行くわけではなく、「鉄緑組」と呼ばれる塾組が上位にいることもあり、高2ぐらいまでは真の実力は良く分からない印象がある。

入学するまでは、とにかく志望する学校に行ってもらいたいので、詰め込みでも何でも良いので合格させて欲しいと願うものだが、中学生になると「レールが敷かれているとそのレール通りに行くことは出来るが、レールがないところに自分でレールを敷くことが出来るかどうか」というところが大きな課題となってくる。

難関国立・私立は、周りも選抜されている子供達なので、その中できちんと成績を出すのは結構難しい。また、学力に余裕を持って入学しても、1~2年ぐらい経つとこつこつ勉強をする子に抜かれてしまうことも多い。ややもすると「小学校時代の武勇伝」を語るだけになってしまうこともあるので注意が必要である。我が家がまさしくそうであった。

また、スマホ依存も併発すると大変なことになる。スマホ依存はParentKitKidsloxを導入するきっかけにもなったので、別途「中学生のスマホのルール」としてコラムをまとめている。

もちろん、母数が圧倒的なのでSAPIX出身であるため、中には当然こつこつ勉強が出来る子供もたくさんいる。が、α1(通称 アルワン)の常連だった子供が中学入学後に成績が伸び悩む例もある。子供達の中でもSAPIXだったか日能研だったかの話が出るようで、上記な傾向もあるなぁという話になるようだ。ちなみに「アルワン」組でも一度もα2(通称アルツー)に落ちたことのない人を「アルゼロ」と呼ぶ。

なお、こういった話はお母さんたちが必ず閲覧するインターエデュ・ドットコムで色々話されている。情報の取捨選択は必要だが、参考にはなる。

余談ではあるが、芦田愛菜の早稲田アカデミーの広告は秀逸だった。勢力図は変わるのだろうか。